大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和25(あ)1765 決定

主 文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理 由

被告人の上告趣意について。

論旨は、量刑不当の主張に帰着し、刑訴四〇五条に当らない。

弁護人岩本宝の上告趣意第一点について。

所論は、憲法違反及び判例違反を主張するけれども、その内容は、原審で控訴趣

意として主張せず、従つて原判決が何等判断を加えていない第一審判決の瑕疵を新

に主張するものであるから、上告適法の理由とならない。又、没収の事由の如きは、

もとより、罪となるべき事実でないから、判決中で、証拠によつてこれを認めた理

由を説明することは必要でないばかりでなく、第一審判決は刑法一九条を適用して

いるし、所論各物件が本件犯行の供用物件で、犯人以外の者に属しないことは、そ

の挙示する証拠によつて明らかであるから、同判決を以つて理由不備の違法がある

とすることもできない。論旨は採るを得ない。

同第二点について。

論旨は、訴訟法違背の主張を出でないものであつて、刑訴四〇五条に当らない。

そして、刑訴三九二条二項が任意職権調査の規定であることは、当裁判所の夙に判

例とするところであるから、原審が控訴趣意に包含されない所論の事項について調

査をしなかつたからといつて、これを違法とすることはできない。

同第三点について。

所論は、第一審判決に理由不備の違法があること及び控訴審では控訴趣意書に包

含されない事項についてまで職権調査の義務があることを前提とした主張であつて、

その採るを得ないことは、既に、論旨第一点及び第二点について判断したところに

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よつて明らかである。

なお、記録を調べても、本件につき、刑訴四一一条を適用すべき事由は認められ

ない。

よつて、同四一四条三八六条一項三号、一八一条により、裁判官全員一致の意見

で、主文のとおり決定する。

昭和二七年六月九日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 霜 山 精 一

裁判官 栗 山 茂

裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 谷 村 唯 一 郎

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